【ネタバレ注意⚠️】僕リリあとがき
こんにちは、月山です。
すっかりブログを使いこなせておらずに、ご無沙汰になっていましたが、ようやくちょっと顔を出してみようと思います。
なにせ、今回は長編を一つ完結させたのです!
「魔法をかけて、僕のシークレット・リリー」というお話です。
未読の方のために軽くあらすじを貼りますね↓
『政略結婚に納得がいかず家出をした百合は、大手IT企業社長のお宅――五宮家の使用人として住み込みで働くことになる。しかし、使用人とはなんと「執事」のことだった!そんな豪邸に転がり込んだ矢先、ある一室で綺麗な女の子に出会い――?
「じゃあ、新しいおとぎ話をつくりませんか」
好きな自分でいられるように、自分の好きなものを誇れるように。見習い執事とワケありお嬢様(?)のラブオシャレッスン、始まります!』
【以下ネタバレ注意⚠️】
今作は私がずっと温めていた設定でして、恐らく1年前くらいから書こう、書きたいと思いながらなかなか手を出せていなかったものです。
もともとお嬢様×執事ものを書きたいと思っていたのですが、「ありきたりすぎるな……よし、男女逆にしよう!」と唐突に思い至り、今作の基礎設定が生まれました。
その当時、私自身がメイクの楽しさに目覚めたこともあり、メイクシーンもたくさん詰め込んだお話にしちゃえば楽しいのでは!?と思ったのもベースになっています。
皆さん、YouTuberの「nanako」ちゃん知っていますか?私の推しなのですが、彼女のおかげで私はオシャレを楽しいと思えるようになりました。
それまでは本当に義務的に服やコスメを身につけているだけで、女の子としての楽しさをドブに捨てていたな……と後悔しています。今はすごくすごく楽しいですよ!
そんなこんなで、今作のヒーロー・蓮様は、初期はもっと「女装男子」というのを強めに出していくつもりだったのですが、書き進めていくうちに少しずつ彼のことが分かってきて、これはただ簡易的に「女装男子」という枠に入れるべきではないなと感じました。
プロット作成段階では、女の子!メイク!きらきら!みたいな話にしようと思っていたのですが、もっと本質的で繊細な部分も表現していく必要があるな、と勝手に内省して……(汗)
年々ジェンダーについての考え方が色々と変容していっているな、と感じます。
少し前まではジェンダーレスなんて聞かなかったですし(私だけ?)、同性カップルについても少しずつ優しい世の中になってきたのかなと思ったり思わなかったり。
ともかく、そんな時代に生きている私たちですが、そこでふと「女装男子」って、何?と分からなくなりました。
女らしさ、男らしさって、何?です。もう女の子がスカートを履かなきゃいけない時代じゃないし、男の子がスカートを履いちゃいけない時代じゃありません。
メイクに関しても、してるから女の子、してないから男の子というわけではないですし、そうなって欲しくはないと思います。
誰でも自由に自分のしたいファッションができる。自分の好きなように生きられる。そうならなければいけないですね。
そういったことを考えた時に、今作のヒーローの位置づけは非常に難しくなりました。
彼は「女装男子」だったのではなく、あくまで「女装」を一つの現実逃避のツールにしていました。この「女装」というのも、本来あまり好ましくない言い方なのですが、便宜上使っています。
ヒロイン・百合についても同様で、執事といえば男!という印象がどうしても強いのですが、あえて女の子の執事、という設定にしました。メイドではなくて、執事です。
彼女に関しては別段「男装」をしているわけではありませんが、ボーイッシュな外見であるという描写を心がけました。
私個人としては、性別の垣根関係なく、みんな自由に生きようぜ!という考えに賛成なのですが、世の中ほんとうに色んな方がいますから、必ずしも全員がそうとは限りません。それは仕方ないと思っています。
ですから、作中に出てくる人物全員がジェンダーに関して寛容なわけではないですし、多様な価値観を全て許容しているやさしいせかいというわけでもありません。
センシティブな話をしたんですが、今作はそういったことをたくさん考えながら大切に書きました。
本当に難しいなと思いつつ、でもきちんと向き合えて良かったなと思いつつ。
めちゃくちゃ重たい話にはしたくなかったので、ラブコメ風味に味付けしてみました。賛否両論あるのかな、と今から物凄く怯えています。でも愛は込めました。
堅い話は置いておいて、実は今回、当て馬が一人も出てきません!(わお!)
あっ、当て馬って「ヒロインを好きになったけど結ばれなかったキャラ」という認識でいいんでしょうか。そういう前提で話します。
もちろん男キャラはたくさん出てくるのですが、まさかのヒーロー以外、誰もヒロインのことを好きにならないという大事件が勃発しました(笑)
全然そんなつもりなかったんですけれど、気がついたらそんなことに……。
最初はむしろ、草下さんまでもが百合のことを好きになるという設定だったんです(マジかよ)。
茜さんに関してはプロット段階で「当て馬登場」って書いていたのに……なぜ……。
おい我らが主人公、どうなってるんだ。君は大体モテモテのポジションではないのか?
というわけなので、いつにもまして糖度低めなラブコメ(?)が出来上がってしまいましたが、百合と蓮様を最後まで見守ってくださった優しい皆様、ありがとうございました。
特に蓮様は今まで書いたことのないタイプのヒーローだったので苦労しましたけれど、少しでも「きゅん」が散りばめられていたら嬉しいです。
実は今回タイトルもすごく悩みまして、ジェネレーター(あらすじやキーワードを入力すると、コンピューターが適当にタイトルを考えてくれるもの)に頼りました。もともとリリーという言葉はいつか何かのタイミングで使いたいな、と思っていたのですが(響きが可愛くて好き)、ジェネレーターがなんと「シークレット・リリー」という単語を生み出してくれたんですねえ、これが!
どうして!?リリーって単語使いたいって思ってたよ!?もしかしてテレパシーなの!?とびっくりしたのですが、「百合=リリー」だということにそこでようやく気付き、これは採用するしかねえだろ……となった次第です。
どうしてシークレットなのかと言われますと、百合は正体を隠していたという点(これが一番の理由です)、それから蓮が百合のことを本当は「秘密」にしておきたいくらいの存在である=自分だけの大切なパートナーであるという点で、シークレットなリリーだったのではないかなあと思います(お前がつけたんだよな?)。
私史上いちばん長いタイトルですが、自分の中では結構気に入っています◎
今回のテーマソングは、まふまふさんの「女の子になりたい」でした!Bメロのコード進行が天才すぎて大好きな曲です。
実は作中にシンデレラ要素が何かと出てくるんですが、この曲に引っ張られている部分が結構ありました。やはり音楽は偉大(汗)
結果的に17万文字程度で終われたので安心しているのですが、途中、もしかしたら20万文字いってしまうのでは……とハラハラしたりしなかったり。
いつもの如く、こんなに長くなるつもりじゃなかった、などと容疑者は話しており(以下略)
実は書きながら何度もプロットを練り直して、なかなかに苦労しながら書き上げた今作だったのですが(なにせラストを全く考えないまま書き始めた)、最終的には彼ららしい結論を出してあげられたようで良かったです。
ちなみに私の推しは六角藤ッ!同担拒否ッ!
本当はもっとキーパーソンになる予定だったのに、めちゃくちゃ登場回数少なくなっちゃいました……。悲しいので妄想で補完します。
相変わらず長々と失礼致しました。
ひとまずきちんと彼らの物語を終わらせてあげられたことにほっとしています。
ここまで読んでくださったあなたは優しい人ですね。
ではでは、また次のお話でお会いできればと思います。さらば!
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